
自家用自動車有償貸渡業(レンタカー事業)許可の取り方
業として有償でキャンピングカーを貸し渡すには、道路運送法80条に基づく「自家用自動車有償貸渡業」の許可が必要です。個人でも1台から申請できますが、専用の任意保険加入や車庫要件など見落としやすい条件があります。標準処理期間は1〜2か月、営業開始まで全体で3〜4か月が目安です。
許可が必要になるかどうかの線引き
キャンピングカーを「業として有償で貸し渡す」場合、道路運送法80条1項に基づき、国土交通大臣の「自家用自動車有償貸渡業」の許可が必要です。反復・継続して収益を得る前提でレンタル事業を行うのであれば、この許可が事業の出発点になります。
許可を得ずに有償で貸し渡す無許可営業には罰則があるとされています。行政書士による解説では100万円以下の罰金が挙げられていますが、根拠条文の原文までは確認できていないため、正確な内容は運輸支局または専門家に確認することを推奨します。
申請先は、主たる事務所を管轄する運輸支局です。個人でも申請可能で、法人である必要はありません。台数の下限もなく、1台からでも申請できます。
許可取得までの流れ
標準処理期間は約1〜2か月、書類準備から営業開始まで全体では3〜4か月程度を見込んでおくとよいでしょう。
営業所・車庫の確保、貸渡料金表、貸渡約款の作成、整備管理者の選任要否の確認など、事業の実施体制を整えます。
対人8,000万円以上・対物200万円以上・搭乗者500万円以上の任意保険に加入します。一般の自家用車向け任意保険では貸渡業に対応できないため、レンタカー・貸渡業向けの専用保険への切り替えが必要です。
営業所からおおむね2km以内に車庫を確保することが望ましいとされています。管轄の警察署で車庫証明を取得します。
許可申請書、事業計画書、料金表、貸渡約款、営業所・車庫関連書類、自動車検査証、身分証明書、保険加入計画書などを揃えて提出します。
運輸支局による審査を経て許可が下ります。
許可日から1か月以内に、登録免許税9万円を納付します。
許可を受けた車両は「わ」ナンバー(沖縄・北海道など一部地域では「れ」も使用)に変更登録します。軽自動車も同様に「わ」ナンバーとなります。
ここまでの手続き全体で、営業開始までおおむね3〜4か月を見込んでおくとよいでしょう。
主な要件一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 主たる事務所を管轄する運輸支局 |
| 申請者 | 個人・法人いずれも可。1台からでも申請可能 |
| 登録免許税 | 9万円(許可日から1か月以内に納付) |
| 標準処理期間 | 約1〜2か月(営業開始まで全体で3〜4か月が目安) |
| 保険要件 | 対人8,000万円以上・対物200万円以上・搭乗者500万円以上の任意保険 |
| 車庫要件 | 営業所からおおむね2km以内が望ましい。車庫証明が必要 |
| 整備管理者 | 乗用車・軽自動車は10台以上で選任義務 |
| ナンバー | 「わ」ナンバー(一部地域は「れ」も使用可) |
保険の見落としに注意してください
見落とされやすい最重要ポイントは保険です。自家用車として普段加入している任意保険は、有償で貸し渡す事業には対応していません。許可を取得しても、レンタカー・貸渡業向けの専用保険(対人8,000万円以上・対物200万円以上・搭乗者500万円以上)に切り替えていなければ、事故発生時に補償を受けられない可能性があります。申請準備の初期段階で保険会社に確認することを推奨します。
「許可不要」とされる形態について
個人間で車両を貸し借りするカーシェアの一部は、「共同使用契約」という形式を取り、道路運送法80条の許可対象外として運用されている事例があります。同一の自動車を複数の者が自己のために主体的に使用し、それぞれが使用・管理に関する実質的な権限と責任を持つことが要件とされています。
ただし、これは行政が認証した許可制度ではありません。平成18年の法改正で、かつて存在した「自家用自動車の共同使用許可制度」自体は廃止されており、現在の「共同使用契約」は民間の契約スキームとして運用されているものです。使用料の設定が形骸化している場合や、日・時間単位のみで料金を設定している場合は、実質的に有償貸渡し(レンタカー事業)と同一とみなされ得るという見解も複数の専門家解説で示されています。
継続的・反復的に収益を得ることを目的とするなら、許可を取得して事業として運用することが本筋です。共同使用契約による運用を検討する場合は、必ず行政書士や運輸支局に個別にご確認ください。
まとめ
許可取得は、書類の準備から営業開始まで3〜4か月程度を見込む手続きです。個人でも1台から始められますが、専用保険への加入と車庫の確保は早い段階で着手しておく必要があります。
許可を得た上での事業運用は、税制上も「貸自動車業用」の区分が適用され得るなど、根拠を持って制度を活用できる前提になります。税制面の詳細は税務ページで解説しています。
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出典
本ページは自家用自動車有償貸渡業(レンタカー事業)許可に関する一般的な制度の解説です。罰則規定や個別要件の詳細、共同使用契約など許可を要しない形態の該非判断については、必ず管轄の運輸支局または行政書士等の専門家にご確認ください。記載は2026年7月時点の情報にもとづいています。